2020.11.24
ほら見て、光が透けるところがある。これがおいしいたんぽの証
きりたんぽ発祥の地とされる鹿角。秋田ではハレの日を祝う郷土料理のひとつだ。鹿角市花輪で創業以来約50年、たんぽを作り続けている「柳田きりたんぽ」を訪れた。
加工所に一歩足を踏み入れると、香ばしいたんぽの焼けた匂いが漂っている。作業場では女性たちが手際良く作業を行っていた。炊いたばかりのご飯を機械で捏ね、ひとつずつ計量してボール状に分けていく。最後の工程を担当する女性たちはそのボールをひとつ掴み、杉の木に握りつけてから板の上で棒を転がし、形を整える。最後の成形で一人前になるには数年が必要だと教えてくれたのが、女将の柳田亮子さんだ。
「簡単そうに見えるけど、力加減がとても大事。陽の光にかざすとわかりますが、均一ではないんです。ところどころ、空気の通り穴がある。これが鍋に入れたときにスープをいっぱい吸ってくれるんです」と教えてくれた。
実際、スープを十分に吸うのに何故か煮崩れないのが柳田きりたんぽの特長。香ばしさもおいしさのひとつのエッセンス。誰かに自慢したい、そんなきりたんぽ鍋になること請け合いだ。
柳田きりたんぽ
秋田県鹿角市花輪堰向79
☎️0186-23-4468
http://kiritanpo-y.jp/