2020.10.09

愛を知る米:前編

始まりは、一枚の苗代から。
苗代から工夫する、鹿角の米作りへの愛

平成31年4月15日。鹿角市柴平の安保金太郎商店。代表の安保大輔さんを中心に真剣な面持ちでの作業が始まっていた。育苗作業。いくびょうと読む。田植えが米作りの最初ではない。1枚1枚の苗代に種もみを密に播き、発芽させ、田植えができるところまで苗を育てる。1年の米作りの始まり。機械を活用しながら、グラム単位の繊細な作業が続いていた。

「1反歩25枚、1枚120g、1000粒30g、1粒が1000粒」。安保さんの呪文のような言葉をとりあえず、メモ。真剣な作業には圧倒されるばかりだ。安保さんに後日、呪文の意味を確認してみた。

「ああ、それはだすな、まず、1反歩=10aの田んぼにつき、苗代は25枚使うす」。

ふむ、苗代には随分詰めて植えるんですね。

「苗代1枚には種もみを120g使うんだす。種もみ1粒はだいたい0.03gなので、およそ4000粒入るす。1粒の種もみからはおおよそ1000粒ができるもんで、あの苗代1枚につき、お米4,000,000粒、1反歩にすると100,000,000粒ができるす」。

1粒から1000倍が基本。お米ってすごい。一粒万倍日の意味もわかった。だからこそ、その根本となる苗代づくり、ひと粒ひと粒の作業こそが重要なのがわかる。

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